とりのんち

中年女性がブーブー言ってます。

結婚12年目が考えるアレクサ男

アレクサのCM、各所方面から色々言われて流れなくなると思ったのですが、色々言われているけどまだ流れているようです。

 

ざっくり言うと

よい歳で収入も良さそうな独身男性が、アレクサに頼りながら彼女のために「母親の味付けの肉じゃがを母親の指示を仰ぎながら作る」というのがストーリーです。

最後にはアレクサにデートに合う曲を選ばせるんですが、そこはお前が調べて準備しとけよ! と強く思いました。

音楽と本棚はその人を表すので、アレクサに良さげなものを選ばせるなんて全く魅力を感じない。

どんな曲でもいいから自力で探して、選んで悩んで、ちょっと恥じらいつつも胸を張って流せ。

 

 

 とまぁそんなこんなで、初めて見たときは気持ち悪ッ! と思いました。

「母さんの味にならないよぉー」

ならないよぉ〜、じゃないよ、なんやねんその語尾は! ぶりっ子か!

画面の向こうの母さんとのやり取りからは、常に母子で連絡を密に取ってる感が臭ってくる。

2人の身なりが綺麗であるがゆえに育ちの良さが感じられ、育ちの良さが感じられるだけに「ママとお坊っちゃん感」が強く出てしまう。

要するに、マザコンの日常のひとコマを見せられたようで嫌だ、と感じたんですね。

 

父親も一緒に映っていたら、両親と息子で家族仲が良いのねとほのぼの見られたと思うんですが、なぜ出さなかったのか。

黙って画面の端で2人を見てるだけでいいから、いれば良かったのに。

 

 

結婚12年目子供2人の主婦になってアレクサ男を見ると

 

このCMは独身時代、子無し時代に見たらもっともっと嫌悪感があったと思う。

じゃあ今はどうかと言うと、最初は気持ち悪ッ! と思ったけれども、しかしなぁと考える余裕ができました。

悪いばかりじゃないんですよ、アレクサ男。

 

アレクサ男の良い所

 

彼女が作った肉じゃがに対して

「母さんの味になってないよぉー」

だったらもう一刀両断即断罪おさらば二度とその面見せるんじゃねぇぞってなもんですが、彼はそうではないんです。

自分で作った肉じゃがが理想の味にならないから

「母さんの味にならないよー」

なんです。

この2つは天と地ほども違う。

 

自分で作って自分に文句を言う分には全く構わないんです。

「でもこれも美味しいよ、作ってくれてありがとう」

と、彼女も気持ちよく言えるわけですよ。

家庭料理を作れるアレクサ男は有能です。共働きも産前産後も料理に関しては安泰です。

 

そして、彼女が来たら母親との通話をバッサリ切る。

母親に対して酷いという話もあるようですが、思春期以降中年未満の男性としては当たり前の感覚じゃないですかね?

母親も「あの子はまったくもう!」かなんか言って、上手くやんなさいよ〜、と遠くから心中で応援するくらいでちょうど良いでしょう。

これが高齢の弱りきった寂しい母親相手なら駄目でしょうけど、若々しく元気なあのお母様ならば切って正解です。

中にはこの通話を切れない男性もいるんですよ。

「母さんに料理手伝ってもらっててさー。あ、3人で食べようよ、通話このままで!」

って言い出す男性、絶対にいる。

そして恐らく画面の向こうのお母様はそれを喜ぶタイプである。

嬉々として盛り上がる母息子を見ながら「私は何をしに来たのだろう……」と重い箸を動かす女性が見える。見えますよ。

しかしこのアレクサ男はそうしない。

軽い調子であっさりと母親を切る。

このスタンスが取れるかどうかは、結婚したら大きいです。

 

 

嫁姑のストレスは夫の立ち回りで変わる

 

グイグイ来るタイプの姑に対してなんの文句も無い嫁は存在しません。

どんな良い人であっても、世代も背景も違う人間です。

しかも、姑にとっては何十年もかけて作り上げてきた家族。

そこに急に見ず知らずの若い女性が外から入って来るわけだから、お互いに拒絶反応があって当然なんです。

 

じゃあどうするかというと、夫であり息子である人間が間で調整するんです。

 

アレクサ男は面倒な母親を一旦切って相手の女性としっかり向き合うことを選択した。

それができる男ではあるわけです。

「ねぇ、お義母さんの事なんだけど……」

と妻に言われた時に、母親に対してどう出るか。

アレクサ男、意外に妻の味方ができるかもしれない。

味方のフリをしながら陰で母親とも連絡を取り、上手く調整するくらいの芸当をこなすかもしれない。

だって、味付け済みの白滝入り肉じゃがを美味しくカレーに変えてしまう器用さがあるのだから。

いける。このアレクサ男ならいける。

 

 

アレクサ男と結婚したら

 

今まで何度も彼女と別れていることを匂わせる母親のセリフがありましたが、アレクサ男はなぜ今までの彼女と続いていないんでしょうか。

 

ひとりの女性と続かない男だと聞くと不安になりますが、今まで失敗し続けてきたからこそ自力で肉じゃがを作り、母親との通話を切るようになったのかもしれません。

アレクサ男は学習してきたのかもしれない。自分がどうすべきなのかを。

体験からの学びは強いです。経験と失敗は宝です。

そう、アレクサ男の最後の女になれば大当たりなのかもしれないのです。

 

あの住まいであの生活を送るだけの収入を得て、家事をこなし、母親との距離を取ることを学んだアレクサ男。

結婚するにはとても良い相手かもしれません。

母親は失礼ながらちょっと面倒臭そうですが、アレクサ男がうまく調整してくれれば大丈夫でしょう。

お互い良い距離感で上手く付き合っていけるかもしれません。

 

そう考えてあのCMを見れば、嫌悪感が和らぐ気がしませんか?

 

和らげたからどうってこともないんですけど。所詮CMだし。

 

しかしやはり、BGMをアレクサに丸投げなのだけは駄目だわ〜。

あれが1番嫌だった。

あれだけは擁護できない。絶対自分でなんとかするべき。

 

 

 

 

未だに機械に声を掛けて仕事をさせる事に抵抗があるのですが、これが人型や生き物の形をしたデバイスになったら声掛けまくる自信があります。