とりのんち

中年女性がブーブー言ってます。

今こそ半年ROMれの優しさを

 

私がネットをやり始めたのは、今は懐かしい招待制のmixiに招待してもらった時からです。

ちょうどその頃実家にパソコンとネット環境が揃い、一人暮らしのアパート(隣町で一人暮らしをしてました)から車で実家に通ってネットを触ってました。

 

しばらくして付き合い同棲し始めたのが(転がり込んで来たとも言う)今の夫で、これがオンラインゲーム大好きのネットにどっぷり男子。

つられてネットを使ううちにすっかり沼にハマってました。

 

その頃は2ちゃんねるが凄く面白い頃でしたが、素人には怖い所でもあり、私自身が覗くようになったのはかなり後になってからです。

 

 

昔のオタクは厳しかった

 

そもそもオタク気質な私。

学生時代はがっつりオタクとして暮らしてましたが、この頃、90年代までのオタクは厳しいものでした。

 

なぜなら、情報収集が鬼の様に大変な時代だったから。

 

オタクは基本的に「知りたい」「持ちたい」生き物です。

1つ知れば10知りたい。知れば語りたいし、語れば上が居ることを知るから更に知りたくなる。

それにまつわる物は持ちたい、集めたい。

今もお金がかかるオタク趣味ですが、昔は「インターネットで全部調べられるし家でポチーで何でも買える」という状況ではないので、情報を集めるためには外に出なければならないし、買いに行くためのお金もかかる。

時間も手間もめちゃくちゃかかりました。

 

その状態の中でオタクを極めている方々は、そりゃあもう物凄かったんです。

かけている情熱も手間も金額も時間もケタが違うわけで、その本気度たるや推して知るべしです。

 

音楽やオシャレに対してオタクな人もそうでした。

だから、当時オシャレな人は本当にオシャレだった。

新旧様々な映画や音楽を知っていたり、読む本のジャンルが幅広かったり、音楽を体系化して語れたり、その上で服装が独創的だったりしていて、めちゃくちゃカッコよかったです。

 

アニメやマンガ、ゲームのオタクも同じです。

新旧作品に精通し、作られた背景や製作者のコメントまで読み込み、作品そのものを深く知った上で自分の意見も持つ。

費やす時間が半端じゃないし、掘り下げるうえでそこにまつわる物事の知識も「そんなにか!」ってほどに貯えられている。

その方が楽しめるから、自然にそうなる。それがオタクです。

 

今もかっこいいと思うのは、その時期にお兄さんお姉さんだった世代の人が多いかもしれない。

現在40代50代辺りの方々。

 

 

だからハードルが高かった

 

そんな人達を「オタク」と認識していたので、自分をオタクだと言うのはちょっと憚られるものがありました。

イメージが今のように良いものではなかったのも大いにあります。

オタク=ダサい暗い

でしたし。(実際私はそうだったから何も言えねぇ)

 

今はみんなかるーく「オタクです!」と言うし、何ならオタクですというのが武器になるような空気さえあります。

 

で、時折「そんな知識でオタク名乗るな」とか炎上してたりするんですけど。

オタクの幅が広くなったから、定義が難しくなりましたね。

アニメ観てゲームしてコスプレして動画観て同人誌描いて読んで、それだけがオタクじゃないんだよなーと、ちょっと思ってしまう中年。

抉るような知識欲や収集欲と、掘りすぎて貫通するくらいの考察のぶつけ合い、憧れの目で見てました。

 

今もそういう人はいるのだけれども、目立たなくなってる気がします。

長文より短文が喜ばれるようになると、意見のぶつけ合いが難しくなるというのもあるのかな。

 

インターネット現る

 

さて現れたインターネット。

これがまぁ便利なのなんのってホントにヤバい。

情報も商品もすぐ手に入るし、文通しなくても秒で意見交換ができる。

ヤバい。語彙が死ぬほどヤヴァい。

 

同時に、オタクが浅く広い存在になってきました。

頑張らなくても必要なモノが必要なだけ手に入るようになって、活動も容易になり、交流も簡単になって、裾野が広がったからですかね?

 

ここで爆発的人気を誇るのが、2ちゃんねるです。

掲示板といえば! の、2ちゃんねる

色々問題もありましたが、真っ黒けな問題あり書き込みから今夜の夕飯のメニューまで何でもありで、そりゃあ人気が出るよねという存在でした。

古いオタクもその辺の若人も入り混じり、みんな楽しいごった煮みたいな、闇鍋みたいな場所。

 

そんな2ちゃんねるも、昔はもっと厳しかったイメージです。

諸先輩方ががっつりガードしていて、同じ土俵で会話ができない相手には「半年ROMれ」という言葉がありました。

 

お前は半年間発言せずに黙って見とけ、って意味です。

 

これ、当時見た時は「おっかない世界だなー」と思ってました。

怒られてるじゃん怖っ! と、リアルに半年(以上)ROMってました。

 

でも今思うとこれ、優しいんですよね。

要らんこと言っていじめられる前に、落ち着いて流れと背景を読んでこい

それ以上書き込むと痛い目見るから、ちょっと落ち着いて勉強してこい

悪い流れから身を引かせてお互いを守るための心遣いなんです。

半年経ったら来てもいいわけだから、永久追放じゃないんですよ。

優しい。凄く優しい。

オタクの厳しい愛情を感じます。

 

 

今こそ半年ROMれが大事かも

 

あっちこっちで炎上しているSNS

 

これ、まさに半年ROMれだと思うんです。

 

好きな事を言うのも見せるのも悪い事じゃないけれど、誰かを嫌な気持ちにさせると何十倍、何百倍、何万倍になって真っ直ぐ返ってくるのがネットの怖い所です。

書きながら私も怖いんですけど。

 

これはヤバいのか、こういうのは面白いのか、これは通報されるのか、これがバズるのか。

自分が同じような事をしたらどうなるのかを想像するために、モデルケースをたくさん見た方が良い。

人のふり見て我がふり直すためにも、ROMるって大事です。

 

ツイッターリツイートとか、ついつい感情に任せて安易にやりそうになるんですけど、いやまてこいつぁ深夜のラブレターだぞと。

気持ちの盛り上がるままにやったら朝起きて後悔するやつだぞと。

あっちこっちを覗きながらぐっと抑える中年女性です。

 

やって良いこと悪いこと、様々な情報が溢れかえるインターネット。

ROMって知って考えて、実際に行動する前にまず立ち止まってみる。

子供がネットに繋がる時にはこの精神を伝えておこうと思ってます。

簡単に黒歴史を作り上げ、ネットタトゥーなんておっっそろしい物がある時代。

半年ROMれと言ってくれる先輩がいるありがたさが、今沁みるのです。

 

今の社会でバイトテロやら暴行投稿が問題になっているので、うちの子供達がネット社会に触れる頃にはそういうのは終わってるかな。

 

で、もっと複雑で面倒な問題がまた起こるんでしょう。

半年ROMれば何とかなるような状況だと助かるんですけど。

母ちゃん、今の流れにすらついて行けてないのよ……頑張るけど……。

 

 

 

 

2ちゃんねるのまとめ本は著作権とかで揉めてましたけども、立ち読みできない面白さ、泣かせ力でした。

 

顔文字のバリエーションも凄かったなー。

今使うとおじさん扱いされるらしいですよ(´・ω・`)ショボーン