日本力 外の人が見るからこそ解ることがある
私には何度も読み返す本はあまりなくて、大体1度、多くて2度読むか読まないかなんですが、「日本力」は何度も読んでます。
松岡正剛さんとエバレット・ブラウンさんの対談で進んでいく本になります。
日本に詳しい海外の方って、日本人よりずっと日本を掘り下げて勉強しつつも視点が違うので、出てくる意見が勉強になります。
YOUは何しに日本へって番組をたまーに観るんですけど、あれも面白い。
「日本を持ち上げる番組が多くて気持ち悪い」なんて意見も聞きますが、自分が知らなかった良い部分を外から指摘されて気付くというのは悪い事じゃないです。
大事なのは「持ち上げられているのは自分自身ではないという現実」を忘れない事かなと。
そして「自分の存在するコミュニティが外からそう見られている事を認識した上で、じゃあこれから自分自身はどうしていくべきか」を考え、行動していく事かなと思ってます。
日本人の技術は素晴らしいとか言われても、私自身には何の技術も無いのよねという自覚。
日本の文化である折り紙を教える事もできない(鶴と手裏剣だけ折れるけど)し、着物の着付けはできないし、神道と仏教の違いもよくわからないし、俳句の決まりも字数と季語があるくらいしか知らないし、禅も茶道もかじったことすらないし。
じゃあどうしようかな、そもそも日本って何なんだろう?
そう考えて、読む本の幅が広がりました。
「日本人なのに白川静さんを知らないなんて!」
という話が載っていて、浅学で初めてお聞きするお名前だったので調べてみたり。
おかげさまで漢字の面白さを教えていただきました。
コスプレは現代の祭りであるという話は同じ事を考えていたので、ですよね! ってなりました。
メイクをし、人間以外のものになる。
これ、昔から日本にあるやつだなと思ってたんです。
コスプレは歌舞伎、芸者、宝塚などにも繋がると書かれていて、なるほどなぁと。
ルーズソックスと着物の半襟が同じであるという話も凄く腑に落ちる。
難しい話なのかと思われるかもしれませんが、全然です。
読みやすいしわかりやすいし、身近なこれがそんなものに繋がるの? っていう話が多くて物凄く面白いです。
「日本人は無宗教だというけれども、古神道やモダン・アニミズムがAKIRAやエヴァンゲリオン、仮面ライダーにも少女マンガにもある」
なんて話もあって、ご両人の知識の世界の広さに、さすが頭のいい人は違うわ! と思いました。
どこまで世界を把握してらっしゃるんだろう。
一晩中聞けるわ〜。
たまらない!
エバレットさんは写真家で、中島デコさんというマクロビオティックなどで有名な方の旦那さんです。
私は元々デコさんの方の著書などを読んでいたので、読み始めて知った時に「繋がるもんだなー」と驚きました。
本を読んでいて面白いのは、こうして繋がっていくところです。
こちらを読んで気になった話を調べるために次の本を読む。そこで興味を持った話を調べるために次の本を読む。
すると不思議なもので、なんの気無しに手に取った本がそれらの本と繋がってたりする。
引き寄せの法則じゃないですけど、それらが創る世界にまぜてもらえるようになるんだと思います。
学ぶことの面白さってこういう所にあったのかーと、学生を遥か遠く過ぎて気付くという。
いんや面白い。
ちなみに2010年の発行ですが、今読んでも全く古くないです。
10年経っても状況が変わっていないという事なのが良いのか悪いのか、ですが。