ヒプノシスマイク舞台化と商品としての作品
私は古のオタクです。
声優がアイドルになり始めた頃、子安武人さんがヴァイスクロイツをやってたり、椎名へきるさんがライブをやったり(今もされてます)していた頃のアニメとゲームオタクでした。
20歳を超えた辺りからテレビ自体をあまり観なくなり、アニメもゲームも遠い存在になりましたが、今も声優さんは好きです。
ラジオも好きなので、声フェチな部分があるのかもしれません。
ジャムおじさんの声優さんがチーズの声優さんに代わっているんですが、流石としか言いようのない交代ぶりで感服しております。
山寺宏一さんほんと凄い。
攻殻機動隊のトグサがすっごい好きです。
そんな古のオタク。
本編は読まない観ないであっても、気になる絵柄やストーリーの作品に関しては記事を読んだり感想を調べたりしちゃいます。
そういう所がオタク気質なのだと思う。
悪い事だとは思ってない。
で、最近「あ~」と思ったのが、ヒプノシスマイクの舞台化です。
ヒプノシスマイクというのは男性声優さんがラップバトルを行うという作品だそうで、以前からネットで目にしてました。
初期からのファンの方々は声優さんが作品を作り上げていく過程を共に歩んできています。
声優さんご本人がライブを行った事もあるそうで、完全に「キャラクター=声優さん」なんですね。
「声優✕ラップ」というのがコンセプトだったそうです。
だったそうです。
今現在は「音楽原作ラップバトル」になってます。
何のことやらよくわからないのですが(ラップバトルをするのは判った)ただ1つ理解できるのは、
今まで「声優✕ラップ」を応援し続けてきたファンは、置いてけぼりの気持ちだろうな、という事です。
追いかけてきた作品が急にコンセプトを根本から変えてくるって、ジェットコースターから振り落とされるようなもんですから。
確かに今、2.5次元というジャンルでアニメや漫画の舞台化が流行ってますが、これがまぁ凄いんですよ。
俳優さんは美形だし、2次元にとことん寄せてくるんです。
IndeedのCMが好きなんですけど、出演されてる斎藤工さんも2.5次元から出てきた美形俳優さんです。
調べてみると結構いらっしゃる。
で、こういう所に通うファンはお金を落とす。
バンバン落とす。
落とすために稼ぐので、惜しみなく遣ってくれます。
円谷プロも、イベントでの儲けが凄いらしいですね。あれも2.5次元と言えばそうなんじゃないかなぁ。
ケチな私でも円谷プロ相手だとお金出したりしますので、とかくファンにとって推しに会いに行けるって凄いことなんですわ。
好きなものに払うお金はお布施みたいなもんですから。
消費でも浪費でもなく、何なら作品と自分の幸せに対する投資です。投資。
とまぁ、2.5次元は儲かるのが目に見えている。
じゃあやろうぜ、ってなりますよね〜。
刀剣乱舞も舞台に実写映画にと物凄い勢いがありますし。ウルトラマンXの大地の役者さんが出ておられます。大地ィ!
でもここで問題になるのが、ヒプノシスマイクは今まで「声優さんありきでやってきたコンテンツ」だという事。
キャラクターの背景やストーリーなどが細かく発表されないまま進んでいた事もあって、コミック化された時も「解釈違い」と話題になりました。
まぁでも、それくらいは乗り越えられた。
だって大事なのは今ここにいるキャラクターと、ラップ未経験でも努力して魅せてくれている声優さんの存在だから。
声優さんご本人が登場したライブも、ファンは見た目がキャラと違っても良いと、その声がそのキャラクターなのだという事でした。
解る。
声大事。
ウルトラマンのショー、声がオリジナルじゃないなら無言で動いて欲しい派です。
全部込みでそのキャラクターだから、どこかが違うと違和感で集中できないんですわぁ。
そんな声優さんありきのヒプノシスマイク、舞台化では俳優さんがキャラクターを演じるそうです。
で、声優✕ラップから、音楽原作ラップバトルに変わったと。
そりゃー「いやいや待てよ」ってなるわなぁと思いました。
だって、別物じゃないですか。応援してきた作品と。
声優さん込みで作品として応援してきているわけだから、そこから急にあれだけの努力を見せてくれた声優さん抜きで「稼げる所だけ取り出したろ」、ってされたらそりゃあ、はぁ? ってなりますよ。
制作側は元々「イケメンキャラ✕ラップ」を推していたんですかね?
ファンは「声優✕ラップ」として受けていたんでしょうけども。
前者なら確かにイケメン俳優で舞台化に何の問題も無いんですよ。
でも、後者だと超展開について行けない。
何なら裏切りだとすら感じてしまう。
だって、作品の根っこから引っこ抜いてますやん。
多分、舞台化自体が責められているわけではないんですよ。
制作側の演者と消費者に対するリスペクトの無さが責められているんです。
舞台化のために根っこである声優さんを引っこ抜いて、音楽原作ラップバトルにしてしまった
そのリスペクトの無さが嫌がられているのではないかと思います。
間にいくつかクッションがあって、声優✕ラップと音楽原作ラップバトルを並走させるなら、ここまで反感を買わなかったのではないかと。
新キャラで舞台化するとか、俳優✕ラップでCD出してから舞台化するとか、あったら違ったのかも。
わかんないけど。
もちろん舞台化を楽しみにしている方も多く、出演俳優さんのファンの方も多いです。
舞台、最高ですもん。
身体に響く音響と盛り上げる照明、演者の汗まで見える生身感、その場その時しか観られない一発真剣勝負。
これに推し俳優さんが出てるとか、ありがたみで寿命が延びます。
若返るのでお疲れの方にお勧めですよ、舞台。ライブも良いです。ああ行きたい。
なので、俳優さんを責めないで欲しい、という意見は尊重されるべきだと思いました。
俳優さんに罪はないですもんね。
ほんと。
俳優さんには罪はない。
モヤモヤを吹っ飛ばすような舞台になると良いですね。
結局、商品なんですよ。
ヒプノシスマイクという商品なんです。
そしてそれ以外の様々な作品達も、商品なんです。
売れなきゃいけないから、一部の熱いファンの意見よりも、裾野を広げて様々なところから稼がないと継続できなくなるわけです。
ファンとしては「作品」として受け取っているので唯一無二なんですが、制作側としては飯の種なわけで、変化させながら育てていかなきゃいけない。
育たなくなると作品自体が立ち消えてしまうので、ファンとしてはそれは辛い。
いっそ消えてくれた方が、というような育てられ方をする場合もあるのがまた、ファンの辛いところではありますが。
消費されていく商品としての作品に対して、どう接していくか。
落ちた沼の中ではもう抜けようがないので、息ができるようにじゃぶじゃぶしてる以外にできる事などないんですけども。
なんで急にヒプノシスマイクの話をしたかというと、黒田崇矢さんがオオサカ・ディビジョンで素敵詐欺師を演じられるという話を聞いたからです。
良い声なんですわ〜、黒田崇矢さん。
ヒプノシスマイク オオサカ・ディビジョン 「あゝオオサカdreamin'night」
- アーティスト: どついたれ本舗
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2019/10/30
- メディア: CD
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しかし、ここまで愛される作品として作り上げてきた声優さん達が凄い。
「ラップバトルしてください」「はい」って声優さん、凄くないですか。
プロは凄い。
その努力が凄いし、尊い。
私の幼少期からすでにご活躍だった速水奨さんがラップって。
ジュリアス様!